TOKYO 3H

ライター・小沢あやのブログ

『万引き家族』の生活と光

万引き家族』を観てきました。ネタバレにならない範囲で、簡単な感想を書き留めておきます。

絶望的なストーリーかと思いきや、そこには光がありました。

 

予告編には「彼らの家業は、万引きでした」とありますが、年金生活をしているおばあちゃん以外の大人は、アルバイトや日雇いで、みんな働いていたんですよね。もちろん、彼らが日常的に繰り返していた万引きは犯罪。けれど、きちんとした生活基盤をつくる意欲はあったのです。

 

夏には素麺を茹でて、みんなで海水浴に行く。子どもに水着を与えてあげる(万引きですが……)。冬には一緒に雪だるまを作ったりと、生活の中で四季を楽しむ余裕があったのです。お金がなくても、楽しそうに生きてる。そういう権利は誰にでもある。申し訳なさそうにしなくちゃいけない、なんてルールはない。

 

印象的だったのは、食事シーン。家族で集まってつついていた鍋にも、きちんとお麩が入っていたんですよね。肉はあまり買えないから、カサ増し具材で節約。工夫をしながら、改善しているんです。なんとなくローテーション組んでいた食卓、見直すきっかけになりました。「夏はやっぱり素麺だよね〜」と、すすっているのも良かった。「忙しいから素麺でごめん」ってなることもあるけれど、そういうのやめよう。

 

丁寧な暮らしを目指さなくても、もっと生活は楽しめるんじゃないか? と、思ったのでした。