TOKYO 3H

小沢あやのブログ

福田花音さんと”わたし”

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2015年11月29日、東京・日本武道館にて福田花音さんがアンジュルム、そしてアイドルを卒業した。

 

彼女との出会いは、約十年前。最初は、加護亜依さんの幻影を彼女に重ねていた部分があった。白い肌にベビーフェイス(童顔というか、そもそも年齢的に子供だったけど)、そして鼻にかかる甘い声……全てが、遠くに行ってしまった加護亜依さんが帰ってきたような気がしてしまったのだ。今思うと、とても失礼な話である。福田さんは福田さんでしかない。

 

元々バレエをやっていたのでバネがあるし、ビジュアルは言わずもがな最強。抜群のリズム感と甘い声……アイドルとしての才能の塊だった彼女は、どこかアイドルとしてズレていた。本来、アイドルというのは演者である。Perfumeも『ビタミンドロップ』で「笑顔で嘘つき お遊戯を踊る 傷だらけの ハート詰め込んで」とアイドルの苦悩を皮肉っぽく歌っていたが、そうはいかないのが福田さんだった。

 

自らを「シンデレラの生まれ変わり」と言ってみたり、それをやめたかと思ったら謎の一人称「まろ」を使ってみたり……キャラの迷走っぷりも含めて、可愛らしかった。とにかく目立ちたがり屋で、感情表現が豊か。ドSかと思いきや、構ってもらえないとすぐ拗ねる。ステージで見せてくれる笑顔と、時折ブログで苛立ちを露わにするという落差、もう彼女から目が話せなかった。”女の子”を、面倒臭い部分も含めて濃縮したようなアイドルだった。私も、そんな彼女に魅せられた一人だった。

 

女優になりたい! モデルになりたい! 普通の子になりたい! と言って去っていくアイドルは数多くいた。しかし、「作詞家になりたい!」という夢を持って、アイドルを引退したのは、私が記憶する限りでは彼女が初である。卒業記念ソロ曲が彼女の作詞家デビューとなったのだが、そのタイトルは『わたし』。最後までしっかりと自己主張をしていく姿勢が、何とも福田さんらしい。

 

もしもわたしが今とは違った運命を選んでいたとしたらね
目の前にある景色も違えば 目の前に居る人も違ったはず
有名大学に通っているとか 大手企業に勤めてますとか
言葉にするだけでなんかちょっと その姿がかっこよく見えちゃうもの
中身なんて関係なくて 人が好きだとか言うけれど
それはただの綺麗事じゃないかな
たとえわたし何の肩書きも才能さえ無いとしても
わたしのこと見つけ出して好きになると言えるかな?
自身もってハイと言えないようならまだまだ甘いわね
ホントのホントの部分をもっと分かってもらわなきゃだめだわ

 

ストレートに『わたし』をぶつけた、ファンへの手紙である。どこか森高千里の香りを感じるのは、彼女が生粋のアップフロント育ちだからだろうか。

 

 

カラオケで連続で歌うくらい大森靖子が好きで、ロリータファッションが好きで、ピンクが好きで、何より”わたし”が大好きな福田さん。まだまだアイドルとしての福田さんを見ていたかったけれど、その意識と溢れる感情をこれから言葉にぶつけてくれるのが楽しみである。今のアンジュルムの勢いがあれば、きっと2年程度でアリーナクラスまでたどり着く。その時には、福田さん作詞のキラーチューンで我々を号泣させて欲しい。

 

※ライブの感想の前に、ポエムを書きました。

 

<お仕事告知>

 UPDATE girls Vol.2にて、X21のインタビューを担当いたしました。本誌ではアンジュルムも大特集していますので、手にとって頂けると幸いです。

UPDATE girls Vol.2 (ぴあMOOK)

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